これまでも、一般的に「農産加工」と呼ばれ、採れた野菜や果物を使って漬物やジャムといった加工品を作り付加価値を付けて販売する取り組みは各地で行われてきました。
そうした動きを一層促進するため、平成22年度から国は「農業6次産業化の促進」として支援策を設け、さらに23年3月には「地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律(六次産業化法)」が施行されたことにより本格的な取り組みが開始されました。
「6次産業化」とは1次産業(=農林水産業)と2次産業(=製造業)、3次産業(=商業・サービス業)の足し算とも掛け算とも言われる造語(足しても、掛けても答えは「6」)であり、各産業の連携のもとに農業を強くしていこうという取り組みです (ただ最近は、掛け算であり、いずれかがゼロだと答えはゼロ=成果は出ない、といった言われ方が増えてきました)。
これまで農林水産省と経済産業省が一緒になって「農商工連携」をすすめてきました。「農商工連携」は農林漁業者と中小規模の商工業者がお互いの強みを活かして連携し新商品・サービスの開発・生産等を行うものです。一方で「農業6次産業化」は、主に農林漁業者が中心を担う事業であり、法施行にともない農林水産省は主体にすすめています。 事業計画の申請は農林漁業者で、他産業の事業者と連携する事業は、6次産業化のなかで引き続き「農商工連携タイプ」として位置づけられています。
一方で経済産業省は従来どおり農林漁業者と2次・3次産業の中小事業者が連携する取り組み(事業の中核はどちらでもよい)を「農商工連携」事業として推進しています。
農林水産省が事業化や商品開発、販路拡大、施設整備や機械導入、流通合理化の補助、人材育成、金融支援等、ハード・ソフト両面から様々な支援メニューを整備しています。
○「総合化事業計画」の認定 <年3回審査>
農林漁業者(個人・法人)等が、自ら生産に係る農林水産物を使って新商品の開発・生
産・重要の開拓や新たな販売方式の導入・改善等を行い規定の経営数値基準の要件(売上や
利益の増加率、他に経営状況等の要件を満たすことも必要)を達成する3~5カ年計画を申
請し認定されると、以下のメリットが受けられます。
・農業改良資金(無利子資金)の特例適用、短期運転資金(新スーパーS資金)の活用
・認定後の事業実施のフォローアップ
・新商品開発や販路拡大の取り組みに対する3分の2の補助
○加工機械導入や販売施設整備等に対する補助
農業法人等が自ら生産した農畜産物等を利用して加工・流通・販売等について新たな取り
組みを行う場合、定められた施設や機械等に対して補助が受けられます。
その他の支援策もありますが、都度公募されるため、農林水産省や各地方農政局、都道府県等のホームページで確認したり直接問合せすることが必要となります。