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まずは何から取り組むか


 一番多く寄せられる相談かもしれません。

 もちろん、「後継者いない、誰かいないか」も多いですが、それは次の機会に。

 事業承継の必要性を考えている社長で、大きく3つのパターンがあります。

 一つは後継者も交代の時期も決まっていてすぐに交代したいが、何をしたらいいか

 二つ目は、後継者がだいたい決まっており、何から手を付けたらいいか

 そして、三つ目は、後継者がいない、何から取り組んだらいいか

 

【後継者がいなくても「いつまでに社長を交代したいか」を決める】

 共通するのは、まず社長交代の目標時期を決めることです。

 

 後継者が決まっていれば、交代時期までにすべきことはだいたい決まっているため具体的なスケジュールを立てることができます。後で説明しますが、いろいろとやることが多くて、計画的に取り組まないと、結構大変です。

 次に、候補者がいても引き継ぐ時期が決まっていないとズルズルと時間が過ぎてしまいます。

 一方で、後継者がいない場合。多くの社長が「後継者がいないのに交代時期を決められるか」と言われますが、何歳まで社長を続けるのか、いつ頃には引継ぎたいかを決めないことには、逆に取り組み方が決まりません。そうこうしている間に健康上の問題で経営を続けられなくなったら会社にとって大きな危機です。

「何年後(何歳)まで社長を交代したい」という方針を決めれば、もし子供さんがいなくても従業員に適任者がいないか、外部から後継者を呼んでくるか、どこか引き受けてくれる会社を探すか、その期間のなかで取り組めばいいのです。

ある会社の例です(実際とは少し変えています)。

 従業員30名ほどのサービス業の73歳の社長。息子に会社を継いで欲しいと考えていますが、高齢になってから生まれた子供のため、まだ10代の学生でした。

幸い、社長は健康面では全く問題なく経営に対する意欲も高かったのですが、入社して一人前になるまで10数年待つのか?その間に社長が病気になったらどうする?と、いろいろと相談の結果、まずは3年以内に社長を交代することを決めました。知り合いの同年代の社長も皆さん事業承継は終わっているようです。

そのためにどうするのか。社内におられる50代前半の妻に社長を交代することにしました。その後、現社長も会長として新社長をサポートします。

 

 これまで長年社長をつとめてきた会社、ご自分で創業された会社であれば、なおのこと、自身で引退時期を決めるのは大変な決断です。でも、仮でもいいので交代時期を決めないと、その先、物事がすすみません。